揮発性有機化合物(VOC)の排出規制
浮遊粒子状物質「SPM」(suspended particulate matter)や光化学オキシダント(窒素酸化物や炭化水素類の物質が、太陽の紫外線を受けることにより、オゾンやアルデヒドのような二次汚染物質を生成すること)に係る大気汚染の状況はいまだ深刻な状況です。現在でも、SPMによる人の健康への影響が懸念され、光化学オキシダントによる健康被害が数多く届け出されています。
SPMや光化学オキシダントの原因には様々な物質が関与していますが、揮発性有機化合物「VOC」(volatile organic compouds)もその一つです。VOCとは、揮発性を有し大気中で気体状となる有機化合物の総称で、トルエン・キシレン・酢酸エチルなど多種多様な物質が存在します。
このため、平成18年4月1日から大気汚染防止法が改正され、VOC排出施設について、その排出口におけるVOC濃度の許容限度が排出基準として定められました。VOC排出事業者はこの排出基準の遵守が義務付けられ、年2回の測定とこの記録を3年間保存することが求められることとなりました。
VOC排出の規制対象施設としては、塗装・接着・印刷・化学製品製造・工業用洗浄・貯蔵タンク関係の施設が、その排出能力等の規模要件により指定されました。また、測定機器については「水素炎イオン化形分析計」(FID方式)及び「触媒酸化-非分散形赤外線分析計」(NDIR方式)の、炭素数として包括的に測定できる分析計が指定されています。
当社では、燃焼過程を経たガスを含む排ガス中のVOCも分析できるFID方式の測定機器を導入し、VOC排出規制に関わる測定に取組んでいます。