飲み水中のジクロロメタンについて
飲み水の水質基準は水道法により定められており、病原生物、無機物質・重金属、一般有機化学物質、消毒生成物、農薬、基礎的性状など51項目について基準値が設定されています。
この中で、ジクロロメタンは合成化合物質であり自然界には存在せず有機溶剤塗料、工業用洗浄剤、殺虫剤、ペイントリムーバー、染料などに使用されています。ジクロロメタンは揮発性が高く大部分が大気に揮散しますが、地上に放出されたジクロロメタンは土壌に吸着されず容易に地下水へ移行します。
飲み水中の基準は0.02㎎/L以下となっていますが、水1リットルに約20g(20g/ L)溶かすことができ、プラモデルの接着剤のような匂いがし、あまい味となります。
これらが混入した水を浄化するには、活性炭による吸着処理やばっ気によるストリッピング(揮散)処理などが必要になりますが、簡易的には水を沸騰させることにより除くことができます。
以上のことから、地下水を飲み水に使用する場合には特に注意が必要であり、定期的に水質の検査をする必要があります。
当社においては、ジクロロメタン等の一般有機化学物質についてヘッドスペース法によるガスクロマトグラフ質量分析装置で分析を行なっています。
水質基準は、生涯にわたって水を飲んでも人の健康に悪影響を与えない値に、さらに余裕をもって設定されており、色・濁り・味・臭いなど利用する上で支障がないような配慮もなされています。